【JSDSS】日本ソーシャルデータサイエンス学会 メールマガジン vol.2025-11topic
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
日本ソーシャルデータサイエンス学会 メールマガジン
---- 2025.11.10 [Mon] Vol.2025-11
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
日本ソーシャルデータサイエンス学会事務局より、会員の皆様向けのお知らせです。
【掲載情報】
◆ 理事近況(理事 安田洋祐)
◆ JSDSS2026春季シンポジウム&研究発表会について
◆ イベント情報
……………………………………………………………………………………………………
◆ 理事近況(理事 安田洋祐)
先月から勤務先が変わり、11年間お世話になった大阪大学を離れて、東京・六本木の
政策研究大学院大学に移りました。名前が少し長いので、英語の略称「GRIPS」で
呼ばれることが多い大学です。現在はここで「ミクロ経済学のビジネス実践」という
新しい講義を担当しており、今回はその授業で最近扱った「プライシング(値付け)」
の話をご紹介します。
GRIPSの隣には、黒川紀章氏が設計した国立新美術館があります。
入館料は、一般(大人)が2000円以上するのに対し、大学生は1000円、高校生は500円、
中学生以下は無料です。さらに、20名以上の団体には割引もあります。このように、
同じ商品・サービスであっても利用者の属性(学割など)や数量(団体割)によって
料金を変える仕組みを、経済学では価格差別(price discrimination)と呼びます。
うまく設計すれば、売り手はより多くの利益を得ることができるのです。
では、この考え方を「セット販売(バンドリング)」の例で考えてみましょう。
いま、2つの商品AとBがあり、100人の消費者がいるとします。消費者は
3タイプ(①〜③)に分かれ、それぞれの支払意思額(最大で払ってもよい金額)は
次の通りです。
タイプ | 人数 | 商品A | 商品B
① 30人 1000円 5000円
② 30人 5000円 1000円
③ 40人 4000円 4000円
<ケース1> 個別販売のみの場合
A・Bそれぞれの価格を4,000円に設定すると、70人ずつが購入し、収益は 4,000円×70×2=56万円。
<ケース2> セット販売のみ(純粋バンドリング)の場合
AとBをセットで6,000円にすると、100人全員が購入し、収益は6,000円×100=60万円。
個別販売のときより4万円増えます。
<ケース3> 個別+セット販売(混合バンドリング)の場合
AとBを各5,000円、セットを8,000円(個別より2,000円安い)に設定します。
すると、 タイプ①はBを個別購入、②はAを個別購入、③はセットを購入します。
収益は 5,000×30×2 + 8,000×40 = 62万円となり、最も高い収益を得られます。
このように、セット販売をうまく組み合わせることで、売り手は収益を最大化できるのです。
この考え方は、たとえば学会の運営にも応用できます。
Aを「会員の年会費」、Bを「シンポジウム参加費」と考えてみましょう。
上の最適設計(年会費5,000円、参加費5,000円、セット8,000円)は、
「非会員の参加費5,000円、会員の参加費3,000円」という会員割引とほぼ同じ構造です。
つまり、会員制度は価格差別の一形態ともいえます。(JSDSSでも参考になるかもしれません!)
もちろん、ここで用いた金額は仮のものです。実際に導入する場合は、需要の調査が欠かせません。
また、学会の目的は必ずしも収益の最大化ではなく、研究の発展や交流の促進など他の価値を
重視することも多いでしょう。その点を踏まえつつも、価格差別やバンドリングという考え方が、
ビジネスや組織運営に幅広く応用できるということを感じていただけたら嬉しく思います。
価格戦略に興味を持たれた方は、「ミクロ経済学」や「産業組織論」といった教科書を
ぜひ手に取ってみてください。価格や価値の見方を少し変えてみるだけで、日常の風景も
新鮮に映るかもしれません。きっと、素敵な読書の秋、学問の秋になることでしょう。
日本ソーシャルデータサイエンス学会理事 安田洋祐(政策研究大学院大学)
……………………………………………………………………………………………………
◆ JSDSS2026春季シンポジウム&研究発表会について
JSDSS2026春季の研究発表申込を開始いたしました。
JSDSS2026春季シンポジウム&研究発表会
日程:2026年1月24日(土)・25日(日)
会場:長崎大学 NUTIC(長崎スタジアムシティ NORTH内)
https://www.idsci.nagasaki-u.ac.jp/research/nutic
今回も高校生チャレンジ発表・学生発表・一般発表の3区分で発表を募集します。
データサイエンスに関わる幅広い分野からのご応募をお待ちしています。
研究発表申込期限:2025年12月31日
予稿提出期限 :2026年1月15日
プログラム発表 :2026年1月15日(予定)
研究発表の申込方法や詳細については、下記URLをご覧ください。
https://jsdss.org/s2026spr/studyapply/
参加申し込みにつきましては、準備ができ次第ご案内いたします。
今しばらくお待ちください。
……………………………………………………………………………………………………
◆ イベント情報
本会に寄せられた情報となります。
イベントに関する問合せは当該機関へ直接お願いいたします。
〇 シンポジウムシリーズ「社会が求める健康データサイエンティスト」
第1回~ヘルスケア産業界から見た健康データサイエンティスト~
日 時:2026年1⽉24⽇(土) 14:00~16:15
形 式:現地(順天堂大学 浦安・日の出キャンパス)・オンライン開催
主 催:順天堂大学浦安日の出キャンパス
詳細・申込ページ:
https://www.juntendo.ac.jp/academics/faculty/hds/publiclecture/index.html
〇 第5回 STAR-E研究フォーラム
日 時:2026年3月3日(火)15:00~18:00(予定)
形 式:オンライン開催
参加費:無料
テーマ:情報科学×地震学 研究成果公開シンポジウム ~知をつなぎ、地震防災技術を拓く~
主 催:文部科学省
事務局:EY新日本有限責任監査法人
詳細・申込ページ:
https://www.mext.go.jp/a_menu/kaihatu/jishin/projects/event.html
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
日本ソーシャルデータサイエンス メールマガジン Vol.2025-11
発行:日本ソーシャルデータサイエンス学会
http://www.jsdss.org/
日本ソーシャルデータサイエンス学会 メールマガジン
---- 2025.11.10 [Mon] Vol.2025-11
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
日本ソーシャルデータサイエンス学会事務局より、会員の皆様向けのお知らせです。
【掲載情報】
◆ 理事近況(理事 安田洋祐)
◆ JSDSS2026春季シンポジウム&研究発表会について
◆ イベント情報
……………………………………………………………………………………………………
◆ 理事近況(理事 安田洋祐)
先月から勤務先が変わり、11年間お世話になった大阪大学を離れて、東京・六本木の
政策研究大学院大学に移りました。名前が少し長いので、英語の略称「GRIPS」で
呼ばれることが多い大学です。現在はここで「ミクロ経済学のビジネス実践」という
新しい講義を担当しており、今回はその授業で最近扱った「プライシング(値付け)」
の話をご紹介します。
GRIPSの隣には、黒川紀章氏が設計した国立新美術館があります。
入館料は、一般(大人)が2000円以上するのに対し、大学生は1000円、高校生は500円、
中学生以下は無料です。さらに、20名以上の団体には割引もあります。このように、
同じ商品・サービスであっても利用者の属性(学割など)や数量(団体割)によって
料金を変える仕組みを、経済学では価格差別(price discrimination)と呼びます。
うまく設計すれば、売り手はより多くの利益を得ることができるのです。
では、この考え方を「セット販売(バンドリング)」の例で考えてみましょう。
いま、2つの商品AとBがあり、100人の消費者がいるとします。消費者は
3タイプ(①〜③)に分かれ、それぞれの支払意思額(最大で払ってもよい金額)は
次の通りです。
タイプ | 人数 | 商品A | 商品B
① 30人 1000円 5000円
② 30人 5000円 1000円
③ 40人 4000円 4000円
<ケース1> 個別販売のみの場合
A・Bそれぞれの価格を4,000円に設定すると、70人ずつが購入し、収益は 4,000円×70×2=56万円。
<ケース2> セット販売のみ(純粋バンドリング)の場合
AとBをセットで6,000円にすると、100人全員が購入し、収益は6,000円×100=60万円。
個別販売のときより4万円増えます。
<ケース3> 個別+セット販売(混合バンドリング)の場合
AとBを各5,000円、セットを8,000円(個別より2,000円安い)に設定します。
すると、 タイプ①はBを個別購入、②はAを個別購入、③はセットを購入します。
収益は 5,000×30×2 + 8,000×40 = 62万円となり、最も高い収益を得られます。
このように、セット販売をうまく組み合わせることで、売り手は収益を最大化できるのです。
この考え方は、たとえば学会の運営にも応用できます。
Aを「会員の年会費」、Bを「シンポジウム参加費」と考えてみましょう。
上の最適設計(年会費5,000円、参加費5,000円、セット8,000円)は、
「非会員の参加費5,000円、会員の参加費3,000円」という会員割引とほぼ同じ構造です。
つまり、会員制度は価格差別の一形態ともいえます。(JSDSSでも参考になるかもしれません!)
もちろん、ここで用いた金額は仮のものです。実際に導入する場合は、需要の調査が欠かせません。
また、学会の目的は必ずしも収益の最大化ではなく、研究の発展や交流の促進など他の価値を
重視することも多いでしょう。その点を踏まえつつも、価格差別やバンドリングという考え方が、
ビジネスや組織運営に幅広く応用できるということを感じていただけたら嬉しく思います。
価格戦略に興味を持たれた方は、「ミクロ経済学」や「産業組織論」といった教科書を
ぜひ手に取ってみてください。価格や価値の見方を少し変えてみるだけで、日常の風景も
新鮮に映るかもしれません。きっと、素敵な読書の秋、学問の秋になることでしょう。
日本ソーシャルデータサイエンス学会理事 安田洋祐(政策研究大学院大学)
……………………………………………………………………………………………………
◆ JSDSS2026春季シンポジウム&研究発表会について
JSDSS2026春季の研究発表申込を開始いたしました。
JSDSS2026春季シンポジウム&研究発表会
日程:2026年1月24日(土)・25日(日)
会場:長崎大学 NUTIC(長崎スタジアムシティ NORTH内)
https://www.idsci.nagasaki-u.ac.jp/research/nutic
今回も高校生チャレンジ発表・学生発表・一般発表の3区分で発表を募集します。
データサイエンスに関わる幅広い分野からのご応募をお待ちしています。
研究発表申込期限:2025年12月31日
予稿提出期限 :2026年1月15日
プログラム発表 :2026年1月15日(予定)
研究発表の申込方法や詳細については、下記URLをご覧ください。
https://jsdss.org/s2026spr/studyapply/
参加申し込みにつきましては、準備ができ次第ご案内いたします。
今しばらくお待ちください。
……………………………………………………………………………………………………
◆ イベント情報
本会に寄せられた情報となります。
イベントに関する問合せは当該機関へ直接お願いいたします。
〇 シンポジウムシリーズ「社会が求める健康データサイエンティスト」
第1回~ヘルスケア産業界から見た健康データサイエンティスト~
日 時:2026年1⽉24⽇(土) 14:00~16:15
形 式:現地(順天堂大学 浦安・日の出キャンパス)・オンライン開催
主 催:順天堂大学浦安日の出キャンパス
詳細・申込ページ:
https://www.juntendo.ac.jp/academics/faculty/hds/publiclecture/index.html
〇 第5回 STAR-E研究フォーラム
日 時:2026年3月3日(火)15:00~18:00(予定)
形 式:オンライン開催
参加費:無料
テーマ:情報科学×地震学 研究成果公開シンポジウム ~知をつなぎ、地震防災技術を拓く~
主 催:文部科学省
事務局:EY新日本有限責任監査法人
詳細・申込ページ:
https://www.mext.go.jp/a_menu/kaihatu/jishin/projects/event.html
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
日本ソーシャルデータサイエンス メールマガジン Vol.2025-11
発行:日本ソーシャルデータサイエンス学会
http://www.jsdss.org/